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[未来観光 vol.0]
世界の都市の旅から、未来の国の光を観る

未来観光vol.0

観光という言葉は、光を観ると書く。元々は、僕の好きな安岡正篤先生の本で見た時に、エスノグラファー的な旅の醍醐味を言い表してくれたなと思って気になっていた。

改めてその語源を辿ると、中国の易経の「観国之光」という言葉が出典で、観光とはもともとその王朝の繁栄を観るという意味があった。僕は、BIOTOPEでは普段は戦略デザインと名付けて企業の未来を描き、具体化しながら解像度を上げる仕事をしている。その中でも、特に大事にしているのが、世界中の新たな未来の兆しを感じながら、それをヒントに自分たちの足元の社会の未来像を描くということ。人間中心デザイン、俗にいう「デザイン思考」は、世界の様々な文化に浸っていく人類学にインスピレーションを得て、世界中でフィールドワークを行う伝統もある。

僕らは今、繋がってしまった世界に生きている。僕らが見るであろう未来の兆しはすでに世界のどこかにはある。誰かが言ってたっけ。未来は偏在するのだ、と。

BIOTOPE TIDEでは、僕は「未来観光」と名付けて、世界の都市を巡りながら見えてきた未来を描いていこうと思う。と言っても、仰々しいものではなく、旅する一介のデザインリサーチャーとしての日記、エッセイのようなものとして捉えてほしい。

KUNITAKE SASO

TEXT BY KUNITAKE SASO

東京大学法学部卒。イリノイ工科大学デザイン学科(Master of Design Methods)修士課程修了。P&Gにて、ファブリーズ、レノアなどのヒット商品のマーケティングを手がけたのち、ジレットのブランドマネージャーを務めた。ヒューマンバリュー社を経て、ソニークリエイティブセンター全社の新規事業創出プログラム(Sony Seed Acceleration Program)の立ち上げなどに携わったのち、独立。B to C消費財のブランドデザインや、ハイテクR&Dのコンセプトデザインやサービスデザインプロジェクトを得意としている。『直感と論理をつなぐ思考法』『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION』著者。大学院大学至善館准教授。

Published in未来観光